専門家の皆さまへ

知識は武器です。そして知識を深めるためには情報を得なければいけません。
脳振盪は発症頻度が高くないため、学ぶ対象としても後回しにされがちですが、他のケガと比較しても脳振盪が起こった時の緊急性と重要性はとても高いです。
その場で考えて対処できるものではなく、事前に知っておく必要があり、また頭で整理できていないと急に体は動きません。
脳振盪という頭に関わる問題であるにも関わらず、日本の学校教育、資格取得のカリキュラムには入っていなかったり、入っていても教科書2ページ程度であったり、海外と比較して、遅れをとっているのが現状です。
それにも関わらず、スポーツ現場、特にコンタクトスポーツと呼ばれるようなラグビーやアメリカンフットボール、そしてサッカーやバスケットボールでも脳振盪は起こる可能性があり、適切に対処できなければ非常に大きな問題になります。
どれだけ選手を救いたい、競技に復帰させたいと思っていても、それを適切に行えるスキル、そしてそのスキルを実行する知識がなければ行動に移せません。
しかし、日本では脳振盪について学べる場は限られています。
私が住んでいたカナダでは、一般の方でも脳振盪の知識を持っている人が多かったです。アイスホッケーやフットボールが人気のある国という背景もあるかもしれませんが、何より頭の、脳の安全面への意識が違うように感じます。安心安全なスポーツ環境という言葉もよく耳にしますが、その環境を構築するためには、まず選手の安全面の管理について責任のあるアスレティックトレーナーやセラピスト、皆さんのような立場の方の知識とスキルに大きく依存します。
「脳の事って難しい」そういうイメージもあるかと思いますが、少しずつ、できるところからでもかまいません。あなたの知識が選手を救う時がきます。その時に焦ってしまうのか、冷静に対処できるのか、それは事前準備にかかっています。
私も約10年に脳振盪を学び始めた時は全く知りませんでした。ただ幸運なことに、知識を得る機会と、それを活かしながら経験を積める環境にはいたので、スポーツ選手をはじめ、多くの一般の脳振盪になった方々も見てきました。
そこで培った知識と経験、またその後も研鑽を積んで積み上げていた知見も発信していきます。
ミッションは、「日本の脳振盪を取り巻く環境をより良いものにする」ことです。
ぜひ、志の高い皆さんと共に築いていければと思っています。

Remedy Conditioning 代表 中本 真也